リードを抜いてもらい、ようやくシャワーがオーケーになり、ナースが携帯式の心電図の端子を外してくれ、そのまま、部屋に備え付けのユニットバスで、シャワーを浴びることになる。
約3週間ぶりである。本来なら手術前日にシャワーを浴びるのだが、時間が無くて、体を拭いて終わっていただけで終わったため、緊急入院から数えると3週間も時間が経過していた。
ゆっくり、恐る恐る、バスの栓をして足先が冷えないようにしながら、お湯を出しっぱなしで、体を2回洗い、頭は3回も洗ってしまった。
なんて気持ちがいいんだろう。久々にすっきりしました。
集中治療室内では、全く身動きできずに、ナースにおまかせで、体中拭いてもらい、下着を交換していたのだから、かなり復元してきたと思います。
しかし、このシャワーがかなりの重労働で、毎日浴びる気は起きませんでした。
空調完備の病室ですから、さほど汗もかかないし、そのたびに疲れるのもどうかと思い、1日おきにシャワーは浴びました。
いよいよ、ドクターからも退院OKとなり、退院に向けて調整が始まり、退院日はこちらにおまかせで、いつでもどうぞと言った塩梅である。
以前の同室者の話を聞いていると、静岡県から来ており、ここを退院後、静岡県の病院にもどるということで、色々と調整があったようである。
それに比べれば、自分などは県内だし、まして高速道路を使えば40分くらいで帰れる所であるので、わたし的にはすぐにでも退院したかったが、迎い入れる自宅の方に準備が整わず、今更慌てても、仕方ないということで、金曜日の午後、こちらで昼食を食べてから、退院することになりました。
いざ、退院となってナースステーション2カ所に挨拶した後、ドクターは外来の診察中ということで、そのまま、出所となる。玄関を出て、初めて外からこの建物を見て、少し感動しました。
刑務所に入る人は専用の車等で入り、出所するときは、自分の足で歩いて出てくるのだから、変な雰囲気で、それに近い感覚だったと思います。
さて、お迎えの車(軽自動車のワンボックス)の後部座席に乗り、シートベルトをしたのですが、道路のちょっとした凹みや凹凸がかなり傷口に響きます。
自宅に帰るまでの間、車がこんなに苦しいものとはおもいませんでした。
これでは、自分で運転なんて出来るはずがありませんし、運転する気も起きません。
帰宅後、偶然にも家族全員勢揃いしていて、4週間ぶりに自宅に帰ったという感動でいっぱいでした。
退院後2週間後、再び病院に行き、外来で診察を受け、様子を見てもらうことは決まり事です。
それに向け、自宅でリハビリを自分で進めていますが、オーバーワークになり気味のようです。
暑い季節ですので、早朝と夕方に散歩の時間を設けていますが、自宅周辺が坂道と階段ばかりの所で、すぐにオーバーペースとなるようです。
しかし、病院と違いやはり、自宅の方がいい事は間違いありません。いつも近くに家族を感じることなんてありませんでしたが、この家族のありがたみや、更に自分の部屋を中心にリハビリしているので、自分の趣味をやりながら時間を過ごせることは、気分的にかなり大きいです。後は外に出て遊べるまで回復すれば、思う存分遊びたいと思います。