痛さで目が覚めるが、相変わらず時間がわからない。そんな中、リハビリチームに起こされ、ベット脇に立たされたことは覚えている。すでにリハビリがスタートらしい。
咳が出ると、全身に痛みが走り、寝ていても飛び起きてしまう。そしてナースに横に向いて寝たら楽よ、と言われ、試すと確かに息が楽で、そのまま気持ちよく寝入ってしまうとナースに突然起こされ、体の向きを変えるように指示を受ける。なんでも肺の機能を元に戻すため(潰れた風船の様になっているから)左右に寝返りをしてそれぞれの肺を元のサイズに戻すためだとのこと。
しかし、横向きで楽に息ができる状態からいきなり、逆に向きに寝返るのはかなり重労働である。(この時ベット脇の柵のありがたさを痛感した。)
傷口は痛いし、咳をすれば、全身に響くし、その咳の時にタンが出たらティシュに吐き出すように指示を受けた。
このタンを出す作業がまたつらい。タバコをやめて約10年になるが、このタンは、タバコを吸っていた時の財産だと嫌味をいわれた。タバコを吸わない人はこのタンが出ないらしい。咳をしながら痛みを我慢してタンを出す作業、これはやった人でないとわかりにくいだろうし、これ以上説明しようがない。この辛さはいつまで続くのだろう。先行きの見えない不安でいっぱいになる。